モンドセレクション ラボレター#2
モンドファンナビのMC(自称モンドセレクション コメンテーター?!)がお届けする連載企画 「モンドセレクション ラボレター」#2
今回のテーマは、モンドセレクション「審査」について。
皆さんはここ最近、巷で見かけるモンドセレクション受賞商品の多さに「モンドセレクションって、出品すればどんな商品でも
簡単に受賞できるんじゃない?!?!」と、ちょっとばかり疑心暗鬼になってみたりすることもあるのではないでしょうか?
「食品のオリンピックって言われているのに金賞商品がたくさんあるのは何故?」って、少し疑問をお持ちの方もいると思うので、受賞の仕組みから簡単に説明しますと、、、
モンドセレクションでは商品に対する評価は、出品された商品の中から金賞は全体の何%のように相対的に評価をつける「相対評価」ではなく、モンドセレクションが定めた評価基準に沿って商品ごとに評価をつける、「絶対評価」で各賞を授与するため、、、皆さんが疑問?に思う金賞受賞商品がたくさん存在するわけです。
「ふ~ん、なるほど・・・ところで、モンドセレクションが定めた評価基準ってどんなの???」と、次によくされる質問なので少しばかりご説明いたしますと、、、
評価の基準は、「味覚」・「衛生面」・「パッケージ」・「原材料」の基本柱から29~39項目(カテゴリーによって違うため項目には幅があります。)の細かなチェック項目によって審査されます。
その項目内容は非公開ですが、いろいろ話を伺いラボ(研究)してみると・・・
味覚などの官能審査では、味はもちろん匂いなどの嗅覚、舌触り、色なども味覚検査の中には含まれます。ワインを嗜む人には理解しやすいかと思いますが、食品やお菓子に対しても専門家がワインをテイスティングするような感じで、その道のプロの人達がテイスティングする感じだと思っていただければ想像しやすいのではないでしょうか・・・。
また衛生面では、開けた時に汁がこぼれ落ちたり、食べづらかったりするとマイナスポイントになったりするようです。パッケージでも同様、開けづらい、取り出しにくいなどもマイナスポイントになるようです。これらは使いやすさや食べやすさなど消費者の立場にたってというモンドセレクションのコンセプトからだと思われます。
その他、当然パッケージに記載されている内容と中身の一致や、表現に対してもしっかりチェックが入ります。検証して過剰表現だとマイナスポイント?になるかどうかは分かりませんが、例えば「医学博士も認めた!」など、日本ではよくある表現もヨーロッパ基準では???と疑問視されるようです。またすべての資料は英文か仏文で提出なため、翻訳の表現もちゃんとしなければならないでしょう。審査員の中にヨーロッパで活躍している日本人シェフ(パティシエ)もいるので、パッケージなどの翻訳もしっかりチェックされます!
さらにパッケージのデザインに対しても評価するところで、ここからもワインのラベルにこだわるヨーロッパのノリがしますよね。ピカソ(今ならムートンでしょうか・・・?)が書いたワインラベルのように、書道家 武田双雲が書いた焼酎ラベルとかだとプラスポイントになるのかなぁ・・・?!?!と思ったりします。
そして最近の「食育」からも伺えるように、モンドセレクションにおいても原材料に対してもかなり厳しくチェックが入るようです。
無添加製品が数多く受賞しているのは、原材料でのポイントが加算されているからではないかと思います。
このような審査を含む29~39のチェック項目で審査され、審査員の平均点で90点以上の商品に対して「Grand Gold(最高金賞)」、80点以上の商品には「Gold(金賞)」、70点以上で「Silver(銀賞)」、60点以上で「Bronz(銅賞)」が授与されます。(※ Grand Goldは、一昔前は日本では「大金賞」と訳されたりもしれおりましたが、サントリープレミアムモルツのCM以降、「最高金賞」が定着しつつあります。)
日本の製品がモンドセレクションで数多く受賞しているのは、これらの基準に満たしている製品が多いからです。各社が自信を持って第3の機関に品評してもらうべく、その優良商品の証をして知名度のあるモンドセレクションへ出品しているからでしょう!
これはモンドセレクション本部から聞いた話なのですが、何年か前に中国のどこかのメーカーがワインを出品したのですが、そのワインボトルにボルドー産と書いてあったのですが、そのワインは中国産でボルドーには全く関係してないワインだったそうです。その商品に対してモンドセレクションではエントリーを受け付けなかったそうです。審査を行う前に審査しても賞の授与ができる可能性のない商品に対しては、エントリーを受け付けず審査料(現時点では1.100ユーロ)を取ることはしないようです。私はそれを聞いて「なんて大変良心的なの~!」と思いました。また審査のためのサンプル商品でも、輸送段階で破損が目立つ商品に対しては出品者側に伝え、審査に出す前に再度送りなおしてもらうなどの配慮もしっかりしています。
また審査はひとつの商品に対し、8~10名の審査員で品評しており、1度の審査で決定するのでなく官能審査では2~3回に分けてテイスティング審査を行っております。審査員もある決まった時間で、一日に味覚審査する品目はいくつまでと限りを決めて行うそうです。もし毎回一日中審査をしていると、人間ですから朝一番で審査したものとたくさん審査した夕方では審査に狂いが生じるため、公平に同じコンディションで審査ができる数は決まっている理論からだそうです。
モンドセレクションでは、「公平な審査を徹底しており、それが我々のミッション(使命)だ!」とつねづね言われております。日本の製品の受賞が多い=さすが「Made in Japan」と世界的ブランドになるだけのことあるのねぇ~と、自分が作っているわけでのないのに誇りを持ってしまうMCでしたッ!
モンドFAN!Navi MC