衣替えを過ぎ、ワンカップ大関を懐かしく感じた日曜日
6月1日に衣替えをして、半袖で外出するようになった。半年間、服に隠されてきた腕に陽が当たるのが気持ちよく、日曜日の午後、散歩に出かけた。
ぶらりと入ったコンビニでワンカップ
とりあえずコンビニに入った。せっかくの散歩で、行き着く先がコンビニというのは、我ながら味気ないが、普段と違う気持ちだったためか、いつもは通り過ぎていた棚の前で足が止まった。並べられていたのは、「SAKE OneCUP OZEKI」のラベルでお馴染みの「清酒 ワンカップ大関」。よく考えたら、フタを外すだけでそのまま飲めるというのは、日本酒にしてはナイスでカジュアル。「佳撰」(180ml)と「上撰」(180ml)があったが、ここはプチリッチな気分で「上撰」をレジへ持っていった。
散歩とくれば、やはり公園
せっかくの散歩を楽しむため、アジサイの咲く近所の公園に行ってみた。仕事のない日曜日の昼下がり。ベンチに腰掛け、さっそく、ワンカップのフタを開けてみた。
独特の広口瓶にたっぷりと注がれた水面がわずかに揺れている。甘い匂いが立ちこめ、香りがきつくないので、鼻孔の奥で楽しむことができる。両足を伸ばして、ワンカップをひと口たしなんだ。体中から、1週間分の疲れが抜けていく。舌の上でしばし転がし、ワンカップを飲み込むと、ほんのりとした甘さが口の中に広がってきた。後味がすっきりとしているので、おつまみには、柿の種やさきいか、スルメなど、ひと口で効いてくるものがほしくなる。夏の夜なら、キンキンに冷えたワンカップと、わさびを添えたお刺身の小鉢を持って、縁側から花火を眺めるというのも、おつな楽しみ。
それにしても、ワンカップのガラス瓶は、どこか懐かしい。子どもの頃、小学校まで通った道の途中には、ワンカップの空き瓶を利用して花を飾っていた家が、必ずあった。そんなことを思い出しながら、目の高さにワンカップをかざしてみると、なぜか、さっきまではいなかった子どもたちの遊ぶ姿が、ガラスの向こうに見えた。
「ワンカップ大関」が発売されたのは東京オリンピックの年というから、今から49年前だ。一升瓶から徳利に移して飲むのが当たり前だった日本酒を、手軽に楽しめるお酒に変えた歴史を持つ。「ワンカップ」という名称は大関株式会社の登録商標で、発売から47年目に初出品した2011年のモンドセレクションで、いきなり金賞を受賞。やはり、本物は違うのだ。愛され続ける定番商品は、どこか懐かしい味がした。